「さーちゃんは、アイツらを怖がったりした
ことがあったのか?」
いきなり、登場してきた相沢・・・
「・・・・・ない。」
最初は日和に付きまとうなって思った。
でも、日和が笑うのよ?
いつもポーカーフェイスの日和が笑うのは決まって、
あの人や朝陽さん透真さんに朔夜さんぐらいだ。
パパにもよく笑ってくれるようになった。
出会った頃は本当に笑わない子だった。
最近はそんな日和を笑わせてくれてるのが
彼らで日和がらしく居られるならと思った。
「それなら、一緒だよ。さーちゃんは知ってるんだろ?
アイツらは、結構タチ悪いよ。
喧嘩だってしょっちゅうするだろうし、
暴走族なんてのもウチの学校のトップでもある。」
それを知った時は一層のこと日和を守らなきゃって
思ったわよ。
「でも、さーちゃんは心を開こうとしたんだろ?
そんな連中でもひーちゃんが笑うからってアイツら
の輪に入ろうとしたんだよな?」
だって、日和があたしの手を引っ張るのよ?
「サユリンって呼ばれてんだろ?」
もうやめてよ。
「ああ、さーちゃんは本当に泣き虫だな。
強いのになっ。よく透真が言ってたもんな。」
2人してムカつくのよ。
交互に責めるなんて酷いじゃない。
「あたしは・・・」
「ひーちゃんはさーちゃんぐらい泣く子だったら
もっと分かりやすいのにな。」
日和が泣いたところは見たことがない。
前にもそんなくだりがあったと思う。
震える声を電話越しで聞いたことがある。
日和は辛いことがあってもいつもポーカー
フェイスで何もなかったかのような顔をするの。
「何よっ、そんなに泣いてないっ!」
あたしが泣くといつも日和はオロオロする。
それでも、励まそうと必死な日和を見ると
いつも笑えてきちゃうのよね。