「永瀬さんとの仲取り持ってくれない?」

それは先輩だったと思う。

いつかあたしが振った男だと気付いた。

「どうして、あたしが取り持たなきゃならないのです?

サユと仲良くしたかったら自分から頑張ればいいのでは?」

日和の凛とした態度に安堵した。

「お前がちょこまかしてんじゃん。

サユリちゃん全然話も聞いてくれねぇしよ。

はっきり言って邪魔だ。

どっか、行けよっ!!」

調子に乗って何言ってるのよって出て行こうと

した時だった。

男の先輩が日和の肩を強く押したせいで、

日和はバランスを崩して階段から転げ落ちた。

しばらく、状況が理解出来なかった。

でもすぐに日和が倒れ込んでいるのを

見て駆け付けた。

男の先輩を投げ飛ばしてからだ。

「あんたなんか絶対にご免よ。

二度とあたしに面見せんじゃない!!」

すぐに日和に駆け寄ると日和はムクッと

起き上がりふわっと笑った。

「えへへっ、受け身を取りました。

とっても華麗な着地だったと思うのですが、

どうも頭をぶつけたようです・・・・」

日和が目を瞑って動かなくなった時は

あの先輩を血祭にあげてやると思った。

保健室まで背負って泣いた。

日和がこのまま目を覚まさなかったら

あたしのせいだそう思うと自分が許せなくなった。

「大丈夫よ、少しだけ頭を打っただけ

みたいね。気絶しただけだから様子を見ましょう。」

保健室の先生が日和をベットに運んでくれた。

すぐにパパが血相かいて学校に来た。

相手の先輩は停学になった。

日和の家にはもう誰も居なくて、

親を呼ばなきゃいけない時は

家の親が来たりしていた。

大和さんも仕事中に来たのか、

額に汗を浮かべて来た。