それでも、いつも真っ直ぐなあの子を好きに

なったのは結構早かった。

毎日、ラブレターですと書かれた手紙が

郵便受けに入ってないかとママと一緒に

見に行くのが日課だった。

「さーちゃん、ママはねひーちゃんのお母さん

とも仲良しなのよ。さーちゃんにも仲良しに

なってもらいたいな。」

ママがいつも手紙を見ているあたしに言っていた。

でも、あんなに良い子を傷つけられないと思った。

だから、熱を出したって聞いた時は心配でしょうがなかった。

前に、あたしに女の子だから喧嘩をしてはいけませんとか

言ってきた時だって普通は怖がって逃げていく子が当たり前

だったのに、怪我の心配をする日和にあたしは足を洗うこと

を決意した。

もう喧嘩はしないって決めたんだ。

今時、ちちんぷいぷいとかいう呪文を唱える日和に

正直仲良くして欲しいと思った。

それで、日和が居ないって透真さんが家まで

来た時は家を飛び出した。

あの子に何かあったらあたしのせいだって

そう思うと無我夢中で公園まで走った。

転ばされた日和を見て、今にも殴られそうな

日和を見てカッとなって気付いてたら蹴り飛ばしてた。

あたしの大事な子を傷つけないでって、

こんなに良い子を傷つけたら容赦しないって

そう思ったけど、日和の膝小僧から血が溢れて

くるのを見て泣いた。

あたしのせいで傷つけたと思った。

毎日、こんなあたしのために手紙を届けて

くれるし、クッキーを作りましたって可愛い

包装紙でクッキーを届けてくれるし、顔を

見に来ましたって言う日和をあたしがこんな

目に遭わせちゃったと思ったら悔しかった。

でも、日和は自分が強くなるとか言った。

「サユちゃんと同じ勲章が出来ました。

膝小僧の怪我ごときすぐに治ります。

それよりまた喧嘩をしちゃいけません。

戦闘ごっこなら日和が付き合ってあげます。」

戦闘ごっこって何よって言いたくなった。