外は茹だるような暑さなのにこの部屋だけ、

季節が間違ったのかもしれない。

半袖間違ってるのかしら?

「ヒヨリン、寒い?」

今はお主が神のように見えます。

いつもは3トリオ組んで散々弄り倒すくせに、

クーラーの空調を調節するユウヤ。

「へーき、さっきももっちとアイス食べちゃったからだ。」

どうしても食べたかったんだけどね。

どうもアイス食べちゃうと寒くなるのを予想

してなかったみたいですよ。

「ところで、改まって何でしょうか?」

伊織君がケータイを閉じてにっこり笑う。

「ひよこ姫さ、明日って何の日か知ってる?」

お前、そのキャラでロマンチストだったのか。

それは意外だったな。

「伊織君はさぞかしデートで忙しいでしょうね。」

テスト期間でさえ女の子との約束取り付けて

とケータイ弄ってたの見ちゃったからね。

「そうそうって何言わせんだよっ。

そんなの夜更けでいいんだしじゃねぇー。

明日は空けとけよ。」

はぁ?

お前のために空けろと?

そして、夜は・・・・ぶっー!!

「む、っ、無理ですよ!!

お兄さん、あたし何ぞよりもきっと美人が・・・」

ギロって伊織君の視線にソファーの背もたれに

後退した。

「それでもいいけど?」

伊織君の本気モード恐るべし。

背筋が凍るほどの身の危険を感じる。

「ひっぃぃぃー、嫌だ。」

ユウヤの背中に隠れる。

ダイナマイト、お前が今あたしの盾となるのだ。

「つうか、お前じゃたたねぇっつってんだろうが。」

糞金髪ライオンめ!!

ああ、そうですか。

それでも結構ですよ。