「日和ちゃんって考え方が変わってるよね?」

そうなんだろうか?

馨君、そんなあたしだからみんなとも仲良く

出来たのかもしれないとか思わないか?

「考え方を否定されたら落ち込みます・・・・」

あたしの考えは変だというのか。

「そういうわけじゃないけど、サユリちゃんのこと

本当に大事だと思ってるんだなってすごく分かる。

だから、よくサユリちゃんを連れてきてくれるん

だろうなって思ってた。」

みんなともきっと仲良くなれると思った。

「前に、マコ君が言ってくれたことがある。

大事な人の大事にしているものを俺も大事に

したいってあの言葉はとても感動した。

サユもその言葉の影響を受けてる。

あたしのしたいようにすることが一番

あたしのためになるんだって背中を押して

くれたから今こうやってみんなと海に来る

ことが出来た。」

そうじゃなきゃ、みんなから逃げていたかもしれない。

こんなふうに海まで来れなかった。

「サユリちゃんが?」

馨君をビックリした顔をする。

「うん、いつもあたしの背中を押してくれる

のはサユなんだ。みんなとの接し方が分からず

悩んだことが実はある。」

「えっ、マジか?」

ユウヤが口を開けてポカーンとする。

「今考えるとそんなに考えることでもなかった。

でも、みんなはサユと違って男の子だから

サユと同じでは駄目なのかなって考えた。

よくよく考えて見たらマコ君と一緒だって

結論に辿り着くことが出来た。」

その日の夜は全然寝れなかったな。

「まぁ、そうだね。」

馨君はクスリと笑う。

「友達がたくさん出来たのは生まれて初めてだから、

何かと戸惑うことがあるんだ。」

こんなにたくさんの友達が出来るとは夢にも

思わなかった。