サユの涙をどうやったら止められるんだろうと
一生懸命知恵を捻りだしてた。
「・・ッ、言ってること意味分かんないから。」
そう言って抱きつかれた時はドキドキした。
「サユちゃんと遊べるなら何をして遊ぼうかと
いつも考えています。
どういった遊びがお好きですか?」
笑っているサユをもう一度見たかっただけだ。
「日和と遊べるなら何でもいいよ。」
そう言って、笑ったサユを見て嬉しくなった。
「それじゃあ、今度一緒に遊んでくれますか?」
「いいよ。」
そう言って約束をした。
「ひーちゃん、大丈夫かって血っ!!
あの小僧どもシメる。」
兄ちゃんがその後陰湿な嫌がらせをして
スネ夫たちがあたしに怯えるようになった
ことは結構後になってから知った話だ。
「痛かったろう?
兄ちゃんがまじないをかけるからな。
よく頑張ったな。ひーちゃんは強い子だな。」
そう言って泣きそうになる兄ちゃんに
やれやれと思った。
「日和、あたしが絶対に守ってあげる。
だから、その・・・一緒にいてあげるから・・」
サユの言葉に嬉しくなった。
「はい、あたしも強くなろうと思います。
蹴り技はどうやって繰り出すのでしょうか?」
その日がきっかけで毎日のように遊ぶように
なったのだ。
よく気付かない内にサユとは友情を深めていて、
気付いたら兄ちゃんが遊んでくれないと拗ねてた
ぐらい仲良くなったのだった。
そんなあたしに兄ちゃんは寂しいけど、良かった
なと言ってくれた。
『ひーちゃんが、頑張ったからさーちゃんは
ひーちゃんの気持ちに応えてくれたんだろうな。』
そう言って、頭を撫でてくれた。
怪我の手当てまでしてくれた日の言葉は
あたしのがんばったで賞だった。