「お花さんを直そうとしてるの?」
不器用なサユを見てそう言った。
花を直そうとしているのに逆に花を折って
しまったりする彼女を見て見てられなかった
というのが声を掛けようと思ったことに繋がる。
「何よ、あたしが直そうとしてたら可笑しいって言うの!!」
第一印象は多分お互いあまり良いものとは言えなかった。
「いいえ、可笑しいなんて思いません。
とっても、素晴らしい心意気です。
でも、お花さんは柔らかくてデリケートなので
こうして優しく持ってあげるといいのです。」
その頃からガーデニングが日課だったあたしには、
お花を元に戻すことなんて容易かった。
「・・・そう。」
中々、心を開いてくれそうにないと思った。
一緒にお花を元に戻してもサユと友達になるには
まだまだ遠い道のりだった。
「あの、ちょっとすいません。」
ベンチに座るサユにあたしがしゃがんだ。
「何?」
サユは冷たく言い放った。
「気になってしまったもので、
急にすいませんが・・・あの・・・」
正直、共通点が見つかったのはそれが
初めてで舞い上がった。
「はぁ?」
その頃からサユはクールというか冷たいというか。
「おぱんつ様がご一緒なのです。
そのうさぎのパンツはあたしのお気に入りでも
あります。」
ポっと顔を赤く染めるサユが可愛いと思った。
「なっ、何よあんた。」
「あんたではなく日和と呼んでください。
因みに、ひーちゃんというのが愛称です。
そちらはご自由に判断をしてお呼び頂ける
と幸いです。」
混乱するサユに握手を求めた。
「お友達になりましょう!」
それが人生初めてのお友達になって下さいと
言った日のことである。