案の定、生でナンパをしている集団を見た。

あれが、世にいうナンパというものか。

あたしとは縁のないもので好奇心にナンパ

されていたお姉さんを見たらこれまたすごい

ギャルじゃないかと思った。

夏の海にギャルって居そうだ。

クルミちゃんも海に行くとか言ってた。

そんな光景が繰り広げられていた。

夏の海はデンジャラスだなと思った。

あたしには関係がないことである。

「そこの可愛い子さ、暇してない?」

えっ、あたしかと思って振りかえるも

あたしの後ろに居た可愛い子だったみたいだ。

あたしがされるわけないのだ。

ナンパなど生まれてこの方されたことがない。

一緒にツボを売らないかとかこの聖書を

売ろうとかいう勧誘に誘われたことがあっても、

ああいうふうにビジュアルを認められたことがない。

道案内に聞かれたりすることはあっても、

そこの可愛い子とか言われたことがない。

一度でもいいから言われたいものだ。

女の子がすごく困った表情を浮かべてた。

「向こうにすごい美女が歩いてますよ。」

可哀想だったからナンパ集団にそう言って

やったらまんまと騙されて向こうに行った。

結局、遊び目的ってわけで誘うわけだ。

ナンパっていう行為は何故するのだろうと

考えて見た。

不純な動機としか言いようがないわ。

現代の若者はとても乱れた生活をしている。

もっと健全に過ごせないもの?

人間観察も結構好きな方である。

「あの、ありがとうございました。」

「いえ」

あたしはああいう連中が近くに居ると言うのが

腹立たしかっただけだ。

すごいゾワっとして気分最悪だ。

「人が多いですね。」

この子、あたしに気があるのか?