母さんもたまに電話掛けて来るけど、たまに

愚痴を永遠と聞かされる。

「そういえば、週末はマコ君とお出かけだったよね?」

サユとマコ君は七夕デートを計画してたみたいだ。

どうやら、星が見えるところでまったり過ごすらしい。

マコ君らしいというかサユのこと何よりも大事にして

いるからね。

サユの喜ぶことを考えてると幸せになるんだとか。

本当にいい男に好かれたものだ。

羨ましいぞ!

「うん、日和はジョセフィーヌと散歩するとか

言うんでしょ?あんまり遅くまで遊歩道は歩かない

ようにね。あそこ、この間痴漢が出たらしいよ。」

そうだったのか!?

ジョセフィーヌとのお散歩コースはたくさん

あるけど、あそこの遊歩道は気に入ってた。

痴漢って言ってもあたしなんかを襲う気にも

なるまいよ。

半パンにビーサンでちっとも可愛くないスタイル

で散歩してるから、そういう心配は要らない。

「そっか、じゃあ、気を付けるよ!」

でも、サユを心配させてまで行くようなところでも

ないから行くのはしばらくやめよう。

「土曜日、雨が降らないといいけどね。」

今年の七夕は土曜日にある。

丁度、期末も終わった頃の週末にあるのだ。

確かに、毎年降ってるイメージの方が強い。

毎年、織姫さんと彦星は会えないのか。

それは切ないことこの上ない。

年に一度だけ許された会える日に雨が

降ったらまた1年会うことは出来ないもんね。

橋を掛けて会えるといいけど、晴れてた方が

やっぱりずっといいよね。

迷信とかいうけど、あたしは信じたいな。

2人がいつか幸せになれる日は来るんだろうか?

会えない辛さはよく分かる。

そんな願いが届いたのだろうか?

期末はあっという間に終わり、金曜日の放課後。

いつもの教室でももっちとアイスを食べながら、

天気予報を一緒に見た。