あっという間にあたしは埋まった。
身体が小さいということもあって穴は深く感じた。
「屈辱的だ・・・・・」
もう何よりもこの3人に埋められたことがイラっとする。
よりによって何故この3人に埋められなきゃならんのだ。
しかも、女の子を生き埋めにするなんて惨すぎるぞ。
レディーに大して失礼極まりない。
「ユウヤ、気済んだか?」
伊織君、ユウヤの気休めであたしは埋められたのか?
確かに半ば可哀想なことしたと思ったさ。
でも、このあたしを埋めるとは何てことしてくれたんだ!!
「ヒヨリン、ウケるな」
お前、絶対に海の中に沈めてやる。
覚えてろよ!!
有言実行派だからな。
「そこの3人はどうやら怒られたいのかな?」
馨君の微笑みは尋常じゃないぐらい怖い。
笑ってるけど、目が全然笑ってない。
魔人が降臨したかのようだ。
ひ、日和、現実を見るのだ。
ヤバい、現実なんて見れない。
馨君に吊し上げられる3人を見て、
あたしは妄想世界にトリップした。
きっとあれは空中に浮いて遊んでいるんだろうね。
あんな遊びがあるなんて今までの人生の中で
あたしは見たこともなかったわ。
もしかして、あれがメリーゴーランド!?
このビーチに遊園地が開発されたんだな!!
すごいぞ、海に遊園地とか行ってみたかったぞ。
「ヒヨリン、待っててな。」
ナル君が懸命にあたしを掘り起こそうと砂を
掘っている。
そんなあたしはただただ目の前の遊園地を
見て目を輝かせたのだった。
その後、馨君に大丈夫って体中に付いた砂を
ナル君と一緒になって払ってくれた。
砂まみれになったのは別に大して気にはしなかった。
こういうのはやっぱり初めてだったから、
楽しかったとは言えなかったけど心の中はそう思った。