イラっとしながらもしょうがないから茶色い
紙袋から紙を1枚取った。
「な、何これ?」
サユは引かなくていいの?
あたしが引き終わった後に残りの7人も
引いたところを見ると嫌な予感がする。
「チームに分かれてこれから3本勝負するんだ。」
馨君は優しく説明をしてくれた。
どうも、これは毎年やってる恒例行事なんだという
こと、この無駄に広い場所を有効にビーチフラッグ、
ビーチバレー、騎馬戦をやるとのことだ。
最後の騎馬戦が意味分からない。
何故、そんな危険なことにあたしが参加せねば
ならんというのだ。
大体、サユが審判ならあたしも審判で良くないか?
女子が1人混ざってすることじゃない。
「離脱しても良いかね?」
出来るならば見てる側の人間がいい。
サユのように優雅に過ごしたい。
「無理だと思うよ。」
馨君、どうか離脱させておくれよ!!
「おめー、引いちまった以上は参加しねぇと
いけねぇーことになってんだ。」
それだったら、引く前に行ってくれないと困る。
いつも突然言い出すとか勘弁して。
あたしの心臓が持ちません。
「それで、日和ちゃんは何色だった?」
せめて、馨君と一緒であることを願います。
どうか、神様あたしに運を下さい。
「白」
「あ、一緒だね。」
神様、このご恩はいつかお返しします。
どうにか、馨君に引っ付いていようと思った。
「白はこっちで赤はそっちに分かれろ。」
金髪ライオンの仕切りでいいの?
このヤツに仕切ることが出来たとは
意外なところを見たな。
ユウヤが先陣に立って誘導している。
あのお祭り男はこういうの好きそうだな。
そして、サユはパラソルの下頬杖ついて
早くしてくれないと見ていた。