それにしても日差しが強い。

汗が噴き出る。

これが夏の海の現状ってヤツか。

「もっくん、空気入れある?」

さっきから捜索しているのだが、

見つからないではないか!!

「ひーちゃん、浮き輪に空気入れる?」

もっくんがシートの上に転がる荷物を

ガサゴソ探るのをしゃがんでみた。

「ありそうですかね?」

申し訳ないな。

自分で持って来れば良かった!!

「日和、何探してるの?」

サユっ!!

探してたんだぞ。

今まで、どこをほっつき歩いてたの!?

まさか、迷子になっていたの?

「空気入れ」

「もっくん、見つかりそう?」

サユはもっくんを某有名キャラクターリ○ックマ

みたいと言っている。

「なかったら俺が空気入れる。」

もっくん、カッコイイ!!

とても逞しいぞ。

頼りにしている男ナンバーワンだね。

いつもどこか抜けている不良メンバーズに

とってもっくんは欠かすことの出来ない

しっかり者であるとあたしを思っている。

「日和、海に入る時は足を付けることから

にしようね。」

サユと海を入るのだ計画を立てる。

「うむっ、大将にお任せしますっ!」

青くて白波泡立つところを見ると、

それだけでも未知なる感じだ。

「探してるから海入ってな。」

もっくん、良い人すぎるであります。

サユはもっくんにお願いねって言って、

あたしの手を引いた。

ゴーイングマイウェイなサユちゃん、

恐るべし声を掛けてきた男は素手で

片付けてしまう逞しき女である。