伊織君は嫌そうな顔をして、
「お嬢ちゃん、一回頭冷やそうか?」
ぐへっ、伊織君の猛攻だ!!
これがちぃー君を抹殺した毒牙。
「伊織君の毒牙に殺される~」
後部座席に引っ張られる始末だ。
スパコーンと慶詩に頭を叩かれ、
伊織君には悪魔が憑りついた。
「いつまで付き合ってやりゃいいの~?」
伊織君、やりおるわ。
「な、何をするっ!!」
伊織君の色気たっぷりの瞳に薄ら開く唇。
もうそれを見てるだけでアダルトだ。
ここからは大人の階段ですだ。
そして、伊織君の唇にあたしのスタンドを
持っていた手が襲われた。
「ぎゃあああああっ」
とても女の子が叫んだ感じではなかった。
本気で叫べ危機の警戒レベルはレベル4クラスだった。
「これで少しは冷えたんじゃねぇ~の?」
ケラケラ笑ってる場合やないよ!!
あたしの手を舐めやがってなんて変態なの!!
不純異性交遊はお断りよ。
「お主には血も涙も通ってないと見たぞ。
生死の世界から迷ったデーモンですか!?」
きっと悪魔だったのね。
元から隠れみの術を使用していたとは
何とも姑息なやり口。
あたしが取得したい隠れみの術をマスター
しているなんてっ!!
「師匠とお呼びしてよろしいですか?」
その技術盗ませて頂くわ。
「おめー、このお嬢ちゃんどうかしてるぜ~」
伊織君にすごい嫌な顔をされた。
とっても心外である。
そして、若干メンタルが傷ついた。
「妄想に拍車が掛かっかたね。」
「ヒヨリン、暑くてきっと頭が痛いんだよ。」
馨君とナル君が若干離れたところで見物
しているとは知らずに。