実は朝起きてからバタバタする中でサユに
そのままで行こうとするあたしは止められた。
それで、修平君に髪を可愛くポニーテールに
してもらったというわけだ。
髪を上げるなど普段はしない。
「ナル君は気付いてくれると信じていた。」
それを今まであろうことかスルーしてきた
のだからあたしは石像か何かになってしまった
のかと焦った。
「日和ちゃんが髪束ねてるのは初めて見るね。」
馨君、よくぞ言ってくれた。
さすが、ナイト君!
ナル君も馨君も何も気付かなかった不良メンバーズ
より全然分かってらっしゃるわ。
女の子としての尊厳を守ってくれたような
ものでとても有り難い。
「髪伸ばしてるのには理由があるだな。」
元々、髪は短かった。
だけど、髪が短いと余計童顔に拍車が掛かり、
この身長といいことに普段着で歩いていると
小学生に間違われる悲惨な経験を中学の頃に
経験してから伸ばすことを決意したのだ。
「女が髪伸ばすっつたら男か?」
違うよっ!
伊織君、そんなことないからね。
「実は・・・」
何故、そんな静かになるんだ。
話し声はやっちゃんさんがサユに
けん玉の懐かしさについてを語っているところだった。
「道端で小学生の男の子に1個下だと思われたり、
いつも通う八百屋のおじちゃんがずっと小学生だと
勘違いしていたりというか・・・髪を伸ばせばレディー
になれると信じていたのだ。」
あれほど、童顔ヤダと思ったことはないよ。
父さんに似て童顔の遺伝子を譲り受けたのが
誤算だったというわけだ。
「ぎゃははっ」
「ぶはっ」
「傑作だなそりゃ」
イラッ!!