完全なる遅刻をしたあたしとサユの目の前には

今か今かと待っていた不良メンバーズに久しぶ

りの再会を果たした。

「お、遅くなりましてすいませんでした。」

この部屋は相変わらず涼しいすぎるわ。

汗が引っ込んで寒いぐらいだ。

「「「ひーちゃん、久しぶり!!」」」

なっ、う、埋もれるっ。

久しぶりに会った不良メンバーズの勢いに

圧倒されるあたしにサユは涼しい顔して残り

のパンを頬張るのだった。

「ちょっ、落ち着きたまえ。」

1人1人話し出す始末であたしはそんなに

耳がいくつもあるわけじゃない。

聖徳太子もビックリの勢いだぞ。

不良メンバーズは夏だということもあってか、

結構日焼けをした連中がいた。

「ガン黒にだけはならないで。」

誰か分からなくなるから。

もしかしたら、道端で会っても知らない人だって

なっちゃうだろうからせめて分かる程度にして欲

しいものだ。

「ヒヨリンが寝坊なんて珍しいね。」

ナル君がぱぁっと笑顔を振りまいてやってきた。

そして、ナル君によってソファーの方に引きずられる。

またしても、この子は何て力の持ち主なの!?

パワーアップしたのではないだろうか?

もしかして、ナル君はこの夏に怪力の選手権に

出場したのかもしれない。

ボディービルダーに出てたらどうしよう!?

それはイケないわ!!

ナル君にはそんなの似合わない。

可愛いナル君に怪力もマッチョも要らない!!

ただ普通に笑顔の可愛いエンジェルで居て

欲しいだけなのよ。

「ヒヨリン!?」

ナル君、怪力選手権に出るなんて言わないでね!

あたしが全力で阻止をするわ。

例え、ナル君に恨まれようとも止めにかかるぞ。