サユの家を行ったり来たりしていてすっかり

忘れてしまっていた。

ダディとマミーにも報告をした。

とくに詳しくは聞かれなかったけど、友達と

海へ行くことになったとのことを言うと楽しんで

来なさいって言われた。

ジョセフィーヌを早速預かってもらえることになった。

今日の夜はサユ家に泊まることになった。

一度、家に帰ってから戸締りは確認したりしてから、

ケータイを手にドキドキしながら電話を掛けてみた。

そういえば、電話掛けるのは初めてかもしれない。

『はい』

心臓が跳ね上がりそうだった。

「も、もしもし、馨君のケータイでしょうか?」

間違えてないよねっ?

『ははっ、日和ちゃんだ。』

馨君、めちゃくちゃ余裕そうだ。

あたしの緊張は何処へ!!

「あ、あのですね、散々渋っといて申し訳ありません

でした。サユ共々よろしくお願いします。」

そこに馨君が居るわけではなかったが、

頭を下げていたことに窓ガラスに映る自分を

見て笑いそうになった。

『良かった、来れるんだね?

ギリギリだったから断られたらどうしようかなって

思ってたんだ。いきなり、ごめんね。』

滅相もないですよ。

誘って頂けて光栄な限りだ。

「いいえ、こちらこそ夜分にすいませんでした。

お待たせしてしまって本当に申し訳ないです。」

電話してから2時間は過ぎてる。

しかも、もう真夜中だ。

12時に電話しちゃって本当に悪いわ。

寝ていたらどうしましょうと思っていたけど、

馨君まだ起きてるみたいで良かった。

『ふはっ、あんまりきにしなくていいよ。

日和ちゃんは何も悪いことしてないからね。

明日は学校に来てくれればいいからサユリちゃん

にもよろしく言っておいてもらえるかな?』

はい、今から向かうところなんで!