何でかな?

マミーには最近全然会ってないな。

いきなり、発表しますって言って家を出て

海外に行くようになったのはいつからだったかな?

気付いたら家の中はあたしとジョセフィーヌって

1人と1匹の穏やかな生活だった。

父さんも母さんも兄ちゃんたちが居なくなっても

あたしが寂しく思うことなく見守ってくれたのは

ジョセフィーヌとサユ家があるからだ。

他にもたくさんの人に支えられてあたしは今

生きてるんだな。

奥深いこと考えると毎日に感謝さえ出来る。

「ひーちゃん、やっぱり寂しいとか思う

ことがあったりする?」

マミーはよくこうやってあたしに聞いてくる。

あたしの答えは昔から変わらない。

「全然大丈夫です。」

マミーとダディは心配性だから母さんや父さん

兄ちゃんが居なくなったあたしを一緒に住まな

いかと本当に親身になってくれた。

だけど、あたしの誓いはどこまでも固い。

あの家を守るのはあたし。

家族が大事なあたしが留守の家を守るのが

当たり前だってそうやって育ってきた。

いつかみんな帰って来た時にあたしが

温かく迎えられたらいいなってそういう夢を

見る毎日でもある。

きっと、あたしが我儘言ってみんな帰って来て

と言えばありえないぐらいの勢いでみんな帰って

来るに違いない。

それでも、あたしは一度だって人に寂しいと

言ったことはない。

心にはあるんだろうし、ジョセフィーヌには

たまに愚痴るけど今の生活も幸せだからそれで

いいと思ってるんだ。

「ひーちゃん、ダディが抱っこしてあげようか?」

ダディが腕を広げてわっははって笑う。

豪快なダディは大好きだ。

サユはやっぱり幸せ者だ。

こんなに素敵な家族中々居ないと思う。

大事にするべきだと思う。