早速、太鼓の達者人を始めると何とも素敵な
ゲームだった。
これはよっちゃんとも一緒にやりたいわ。
少し慣れてからよっちゃんを誘ってみよう。
よっちゃんに負ける気がしないわ。
「日和ちゃん、初めてだよな?」
ええ、もちろん。
こんな楽しいものがあったなんて知らないまま
生きてたわ。
「田中はゲーム弱いよね。」
太鼓の達者人で高い実力を見せつけてあたしが
勝ったのだ。
「日和ちゃんが強ぇのっ!!」
そうかしら?
まだまだ勉強不足よ。
「日和、田中、プリクラ撮ろう。」
サユが手招きしてあたしと田中を呼ぶ。
「「アイアイサー」」
この中で一番偉いのはサユである。
女王サユには誰も逆らってはいけないという
暗黙の了解がある。
田中と太鼓の達者人を後にする。
「田中、また一緒にゲームしてね。」
たまには田中と遊んであげてもいい。
久しぶりに会ったけどやっぱり田中は
良いヤツだからまた会えなくなるのは
寂しくなる。
「おうよっ、日和ちゃんと遊ぶの
結構楽しいからな。」
あたしもである。
田中はマコ君以外に初めて出来た男友達で、
サユを好きなマコ君とはまた違ったタイプの
男の子で気がねしないで付き合える友達だ。
マコ君はサユの恋愛相談をよく受けてたけど、
田中とはそういう話をしたことがない。
野球が恋人だと言っていた田中には
今何が恋人なのだろうかと思った。
いつもくだらない話をしていた田中の
恋愛事情をいつかあたしに相談してくれる
日は来るのかしら?