サユはそんなあたしが心配でプールでは

目が離せないと言っている。

溺れかけたというよりは泳ぎがすでに

溺れる寸前で見てられないとか。

そんなに下手糞なのだろうか?

結構、頑張って形にしているつもりだ。

「まぁ、日和泳げなくたって何とか

なるわよ!」

サユは事の深刻さをナメている。

もしも、豪華客船に乗って沈没したら

あたしは確実にくたばる。

有名な海外映画であるじゃないか。

あたしは確実に溺れ死ぬ。

もしも、川に突き飛ばされでもしてみたまえ。

流されてそのまま魚のえさになってしまう。

「日和戻ってきなさい。」

つい、妄想ワールドに入って某有名映画

の状況に入り込んでいた。

「やっぱり、これは克服せねば気が済まないわ。」

出来ないわけではない。

苦手なのである。

あまり苦手なものはないつもりだ。

それでも、弱点化されてしまうのが一番の

問題点である。

その後も泳ぐ練習に付き合ってくれた3人

だが、昼食にしようということでプールから

上がって、着替えを済ませてから結局ファミレス

にやってきた。

何を食べようかとメニューをチラチラ見て、

即決でサユと一緒に頼んだ。

男子2人は未だに決まってない。

マコ君と田中は結構似た者同士だ。

あたしとサユが似た者同士なように

若干メニューが決められないのが

まるでそっくりだ。

あたしはサユとドリンクバーに

出掛けてオレンジジュースをグラス

いっぱいに注いだ。

ドリンクバーに来てもあたしの場合

オレンジジュースかカルピスしか飲まない。