結局、その後のそうめんちゃんぷるの味は
よく覚えてない。
「ヒヨリンの能天気さには何とも言えないよな。」
ユウヤがポツリと呟いた。
確かに、ひよこ姫は能天気なところがある。
クラスの前ではばっちり決めたスカした委員長
やってるが、中身を突っついてみると妄想して
不良なんかとつるんで頭イカレたお嬢さんだ。
「でも、俺は能天気な日和ちゃんの方が好きだけどね。」
それもそうだ。
委員長をやってる時のポーカーフェイスな仮面
を被ってるところ見ると別人に思えてくることがある。
「度が過ぎんだよ。」
慶詩はそう言いながらテレビのリモコンを手にした。
夕飯と食べ終えてから配置のことやらを聞いて、
すぐに夜の街に繰り出した。
「伊織が後ろかよ!」
ユウヤのバイクに跨って待った。
「文句言うんじゃねぇの。」
ユウヤがエンジンを掛けてバイクを
走らせ始めると風の匂いでいいドライブ
になりそうな気がした。
「あっちで揉め事あるみたいだ。」
ユウヤの言葉にドライブも短いなと
思いながら現場に急行して処理をした。
やっぱり夏休みに入っただけあって、
どこも騒ぎを起こしてた。
警察も手を焼く期間ってわけだ。
夏ってだけでどこも浮かれモードってわけか。
こっちの仕事も増えるとイラつくんだよな。
煙草を咥えて男数人を処理し終わった
ところを何度か後にして一旦拠点である
事務所に行くことにした。
「浮かれ過ぎだろっ!!」
事務所に上がると慶詩がイラついて
煙草を吸ってた。
「ちぃー、遅いね。
何かあったのかな?」
先に戻ってたのは慶詩とナルと京と馨だった。