「それじゃあ、ヒヨリンまた首突っ込まないかな?」
リビングに戻ってきた千治は首を傾げた。
ナルの勢いに馨がパソコンを閉じた。
「大丈夫とは言えないところあるよね。
この間の件を差し置いても日和ちゃん
1人暮らしだって言ってたしちょっと心配だね。」
この辺にまた変質者が出たっていうのか?
この街も物騒だな。
「湖の帰りに何かあったら大変だぞ。
家に帰ってるかだけでも連絡してみる。」
ユウヤが慌ててケータイを発進させる。
スピーカーにしてとナルが言う。
「・・・・・はい、只今電話に出ることが
出来ない状況です。」
いきなり、何言ってんだこのお嬢ちゃん。
「ヒヨリン、今どこだっ!!」
ユウヤが声を張り上げる。
「えっ、ここはスーパーはなまるです。
今は戦場に参加中です。
ぐへっ、負けてたまるかそこを退くのだヨシコさん。」
人の心配をよそに間抜けな子だな。
「な、何だ、ビックリさせんなよ!」
ユウヤが肩の力を抜く。
「何でビックリしたの?
あたし全然ビックリさせるようなこと言ってないよね。
つうか、触んなハゲ!!
あたしの正義の鉄拳を食らえ!!
すいません、ここに痴漢が混じってます。
さっきヨシコさんのお尻触ってるの目撃しました。」
話の途中で何つうことになってんだよ。
「ヒヨリン!?」
「あ、ごめん。禿たおじさんが店長に確保された。
それで何の話だっけ?
ヨシコさん、大丈夫よ。
気をしっかりね。」
このお嬢ちゃんは電話してるつうのが分かってるのか?
つうか、ヨシコライバルじゃなかったのかよ。
何で、助けて仲良くなっちまってんだ。
常識外れのウチのひよこ姫。