女を抱き終えた後に煙草に火を付けて、
息を吐きかける。
夜は飯を作りに家に戻ると慶詩がそうめん
ちゃんぷるにするかと材料を切り始めてた。
「伊織、また女に会ってただろ!!」
ナルがプンスカ怒りながらリビングに入ってくる。
「息抜きが必要じゃねぇの。」
ナルを宥めても臭ぇって言いながら消臭スプレーを
吹きかけてきた。
ナルはどうも女物の香水が駄目らしい。
お子ちゃまつうか無垢なだけあって、
ナルは俺の適当さ加減が信じられないのかもしれない。
「そんで配置決まったのか?」
ユウヤが京とゲームしながら馨に視線を
移すと馨は眼鏡を掛けてパソコンと睨めっこ
状態で話を聞いてなかった。
「2:2で動け」
千治がボケッとしながらソファーから声を出す。
「ちぃーはどうすんの?」
ナルが千治に視線を移す。
「俺の心配はすんな。」
ナルの頭を撫でると便所って言いながら、
ノソノソ起き上がってリビングを出た。
「馨っ、いいの?」
「ナルは千治が好きだよな。
あんま心配してやらなくても、
千治はこの中じゃ誰よりも強いの知ってるだろ。」
馨の言葉にコクリと首を動かすナルの頭に
手を置くと安心させるように笑った。
ウチのナルちゃんは何かと心配性だったりする。
とくに、誰かが傷つくのが何より怖いのかも
しれない分よくこうやって恥ずかしげもなく
素直に言ってくる。
「そういや、やっちゃんが知らない男が
この辺ウロついてるって言ってたぞ。」
ユウヤが何気なく言ったその一言は
その時はとくに気にもならなかった。
ただ、何か引っかかるようなものが
あったのも事実だ。