とにかく、サユ家とは大の仲良しなのだ。
母さんの親友がマミーだったということで、
ここらへんに住むことになったのもあるけど、
しかしサユと口を利いたのは意外にも小学校
に入る前だったんだよね。
その前に真君は家に来たりしてたから会っては
いたのだが、まぁそれはまたの機会にでも話そう。
「日和ちゃん、お洋服用意しておくね。」
ここ最近泊まってる間にかなりお世話になってる
マミーは母さんより母さんらしいことをしている。
ウチの母さんには絶対に出来ないだろうな。
大体、ウチの母さんが台所でご飯作ってる想像
なんて出来ない。
実は母さん料理が得意らしいけど、作ってもらった
覚えが全くといっていいぐらいないという残念さ。
父さんは何だかんだ作ってくれたりしたかもしれない。
大体、小学生の頃から料理は完璧に覚えた。
自分で出来ることは全部やるんだって気持ちで
何でも出来るように頑張ったからだ。
「ありがとうございます。」
そして、優しくしてもらったことを当たり前だと
思ってしまわないようにいつだってお礼を言う
ということを忘れちゃならないと思う。
それは、前に父さんが言ってた。
『ひーちゃん、ありがとうはな。
人を幸せな気持ちにさせてくれる言葉なんだ。
父さんはひーちゃんにはきちんとありがとうって
言える子になって欲しいな。ひーちゃんからありがとう
なんて言われたら父さん嬉しくてニヤける。』
最後のは要らなかったけど、いつも大事なこと
をきちんと伝えようとしてくれる父さんなんだ。
フザケタ言い方でもちゃんとあたしの胸には
届いてた。
お風呂に入ってる時にそんなエピソードを
思い出して少しだけのぼせた。
父さんは今どこで何をしているんだろうか?
まだ、ワニと戦ってるのかな?
今度はいつ帰って来るんだろう。
もう5年も会ってないからな。