泳げないのか泳げるのかさっぱり分からないけど、
泳げないとは絶対に言わない頑な根性は認める。
「浜辺に行ったらすでに蕁麻疹出たらとか
そっちも考えるべきだよね。」
馨は誰も気付かないようなところを気付く。
前にひよこ姫が倒れた時に見た赤い斑点。
あれは多分治りかけの蕁麻疹の痕。
白い肌に痛々しい赤い斑点の残る時でも、
ひよこは苦しそうな表情を見せまいと振舞ってた。
「・・・無茶されると困る。」
京は足を組みながらテーブルに残ってる
アイスに手を伸ばした。
昨日はひよこ姫と一緒に部屋に入って来たっけな。
「やっぱ、昨日何かあったか?」
京がひよこの心配するとは思わなかった。
「・・・昨日、1人でコンビニ行ってた。」
目を放した隙にという京にユウヤが目を
見開いて驚いた。
「ヒヨリン、人の話全然聞いてないじゃんか!!
あれほど、注意してやったのにっ。」
学校の近くのコンビニはいろいろと
危ないってこの間注意したばっかりだって
のに、あの馬鹿単独行動したらしいな。
「それで、ヒヨリンは何もされてないよね?」
ナルが京にへばりつく。
「何ともないはずだ。」
京はアイスが溶ける前に口に押し込んだ。
「よ、良かったっ~」
ナルが心底安心して床にしゃがみこんだ。
「そこらへん、考えないと海で何か
あったら困るし目を放さないように
しないとだね。」
馨はパソコンをカチカチマウスを動かした。
「あのチビもああ見えて女だからな、
間違いがあっちゃアイツのダチが怖いよな。」
慶詩が雑誌を捲りながらそう言うと、
「サユリンは何かしっかりしてそうだし、
ヒヨリンの傍にずっと居るんだろうね。」
ナルがソファーに座り直す。