2人の姫に使われるなら本望だと思いながら、
パスタを啜った。
「サユが元気になって良かった。」
ボソッと呟くとサユはキョトンとあたしを見た。
あ、心の声が口に出てた。
「何か、あったの?」
藍ちゃんは首を傾げる。
「実はサユ彼氏にデートドタキャンされて
さっきまで捻くれ気味だったのですよ。」
サユを突っつくと冷ややかな目で睨まれた。
さすが、ツンデレガール。
ツンツン半端ない。
「サユリ美人だし、居るのかとは思ったけど、
いいね好きな人が居るとか。」
藍ちゃんはクスリと笑うと睫毛を瞬かせ、
少しだけ寂しそうに言った。
藍ちゃん、好きな人居ないのかな?
「日和は居ないの?」
藍ちゃんがあたしに振ってきてビックリした。
「えっ、あたし?」
まさか自分に振られるとは思わなくて
パニックで爆発するかと思った。
「あ、居ないよ。この子そういう話はNGなのよ。
恋愛とか興味ないの1点張りよ。」
だって、興味ないもの。
「そんな気はした。」
藍ちゃんがクスクス笑ってサユに同感と言って
笑うからさっきのは幻影かなと思った。
マコ君の写真ないかなとケータイを弄って
居ると見つけて藍ちゃんに見せた。
「カッコイイ人だね。」
藍ちゃんの口からそんなお言葉聞けるとは
思わずギョッとした。
「まぁね」
サユはそう言ってツンデレモードだった。
全く持って可愛いヤツだ。
素直に喜べばいいのに。
サユの彼氏のマコ君は申し分ないほどイケメン
だし、性格良すぎて欠点が見つからない。
それほどのダーリン持っててツンデレガール
は満足ではないと言うのか。