お昼ご飯は一緒に食べようかと言ってたところだ。
どうしよう、サユにはまだ言ってなかったわ。
藍ちゃんのことはいづれ言うつもりだったけど、
今それで言うとサユに浮気者って言われるに
違いないわ。
「ま、マズイ、どうにかしてお昼までに・・」
藍ちゃんとの約束をドタキャンになんて
出来ないし、どうしようとオロオロ考えて
居たら藍ちゃんからどこで待ち合わせしようか
とメールがやってきた。
悩みに悩んだ挙句、電話をしてみることに。
「連れてくれば?」
いいんですか?
藍ちゃんとサユって組み合わせが想像つかない。
クールガールとツンデレガール。
「いいのかな?」
藍ちゃんは別に構わないよと言ってくれた。
何て寛大な心の持ち主なんだ。
「じゃ、じゃあ、連れて行くね。」
藍ちゃんははいはいって言いながら
電話をブチと切った。
な、何て氷点下ガール。
「日和、そういえば今日何かあったんじゃっ」
サユがバルコニーの階段を登って窓から顔を出す。
「あ、うん。そのことで一つ報告がありまして。」
緊張の面持ちでサユにジュースを差し出して、
バルコニーで一服休憩をする。
首に掛けたタオルで額を拭う。
「何?」
サユはジュースに口を付けて早く言いなさいよって
目であたしに迫った。
「あ、あのね、サユには言おう言おうって思ってて、
そのジョセフィーヌとの散歩道でですね。」
藍ちゃんとの出会いを洗いざらい白状した。
もう勘弁してください有罪ですと言わんばかりに、
浮気を認めた亭主の気分だった。
「そんなことで一々文句言わないわよ。
あたしを何だと思ってるの。」
そう呆れられた。
でも、サユは友達出来て良かったじゃないって
頭を撫でてくれた。