「そうか?」


りゅーじくんが辺りを見回した。


みんな、一斉に目をそらす。



「まぁ、気になるなら、俺は先に教室行くわ」


「う、うん。ごめんね?」


りゅーじくんは先を歩きながら、右手を上げた。



     ★



「ちょっとちょっと…!」


「お、おはよう…明日香ちゃん」


教室に着くなり、明日香ちゃんに詰め寄られた。



明日香ちゃんはあたしの親友で、髪の毛を短く切った女のコ。


スラッと細長い体で、ちびのあたしの憧れ。



その明日香ちゃんがなにやら、血相を変えてる…?



「あの笹山とつき合ってるの…!?」