「一回だけでいいから、真希から抱きしめてよ…俺のこと。」

「そんなこと…できるわけないやん。」

「お願い。付き合ってた時、いつも俺からやったから。やから、一回だけ。」


あたしは少し考えて、静かに頷いた。


それからあたしは、ゆっくり"龍"に歩み寄り、そっと抱きしめた。



この時、もうお互いの気持ちに、気づいてたはずやのにな…。

何で、気づいてないフリしたんやろ…


でも、この時はまだ、あたしは気づいてなかったんや。

美紀ちゃんが、まさか見てたなんて…

それと、これから起こる、最悪の事態に…