「なぁ龍…。」

「ん?」


あたし達は、布団の中で抱き合うように寝転んでいた。

「あたし、龍が別れたいって言っても、一生別れへんからな。」

「うん。」

「浮気とかしたら、許さへんからな。」

「うん。」

「ずっと、あたしの隣にいてな。」

「うん。」


龍は、ずっと「うん。」って、静かに聞いてくれた。



この時は、さよならする時がくるなんて、絶対に来おへんと思ってた。

ずっとこの幸せが、続くと思ってた。


でもあまかったな…

恋人同士の関係って、こんなにも脆いもんやって知らんかった。


恋愛初心者なあたしには、付き合ったら自然に結婚するもんやって、そんな簡単な考え方しかなかった。