真希、本間にありがとう。
心の中でお礼を言いながら、真希がまだ俺を名前で呼んでくれないことに気づき、じっと真希の顔を見つめた。

「何?」

真希も気づいたみたいで、俺に声をかけてきた。

「なぁ、真希…。俺らって、もう恋人同士やんな?」

真希はびっくりして、体を起こした。

「な、何よ急に…!」

「もう恋人同士なんやから、俺のこと名前で呼んでよ。」

俺はわざと、真希に顔を近づけた。

「ちょっ!近い近い!」

「真希が、俺のこと名前で呼んでくれるまで離れへん。」

それから少し沈黙が続き、耐え切れなくなった俺は、せかすように「呼んでよ。」と言ってみた。

すると、少したってから…「りゅ……………う……?」と、間をあけながら言ってくれた。

でも俺は、物足りなくて、「間繋げて呼んでよ。」と言った。

「龍…。」

俺のこと名前で呼んでくれたことが嬉しくて、俺は満面の笑みになった。

もう一回呼んでほしくて、「もう一回。」と少し甘えてみた。

「龍。」

「よくできましたー!」

俺は真希の頭を撫でる。

「もう!子供じゃないし!!」
そう言って、真希は後ろを向く。

「あれ?真希拗ねた?」

俺が聞くと、「拗ねてない!」と、明らかに拗ねた声で言った。

「やっぱり拗ねてる。じゃあ、もっといいもんあげる。」

すると、真希が振り向いた。