「呼んでよ。」

相変わらず顔を近づけたまま、滝沢はあたしに言ってくる。

「りゅ……………う……?」
少し間があいたけど、呼んでみた。

「ちゃんと繋げて言ってよ。」

「龍…。」

あたしが言うと、また子供のようにニッと笑って、「もう一回。」と言ってきた。

「龍。」

「よくできましたー!」

そう言って、龍はあたしの頭を撫でる。

「もう!子供じゃないし!!」
あたしはわざと膨れてみる。

「あれ?拗ねた?」

「拗ねてない!」

「やっぱり拗ねてる。じゃあ、もっといいもんあげる。」

「えっ?」


あたしは、パッと振り向く。


チュッ


それは、軽く触れるだけのキス。
でも、すごく優しくて、あったかいキス。


「真希、好きやで。」

いつのまにこんなに好きになってたんやろ?

愛おしくて…

離れたくなくて…

ずっと一緒にいたいって、心の底から思った。