「おい力也…。」
その頃俺は、ずっと上原真希のことを考えてた。
「はい?」
「明日上原のとこ行くから、全員に言っといて。」
「分かりました。」
俺は、本気でアイツのことを"好き"になってた。
力也には、「珍しいですね。」なんて言われて…。
でも、確かに俺にしては珍しいことやった。
この俺が、女を本気で好きになるなんて…
今までの俺は、女となんか遊びで付き合うことしかなかった。
やから、毎日のように違う女とヤって、遊びまくってた。
でも、なんでやろ?
殴られた時に、ビビッときたというか…
とにかく、気になってしかたがなかった。
これ、俺相当ヤバいんちゃう?
そんなふうに思ってたら、いつの間にか寝てたらしい。
気づいたら、朝やった。
「おい、お前ら!行くぜ。」
上原グループのいる基地へと向かう。
「お前ら。今日は、喧嘩しに行くわけじゃねえから。」
「えっ?」
後ろで、全員がびっくりするような声をあげる。
「誰か殴ったりしたら、ぶっ殺すからな。」
未だに後ろでしゃべってる奴がいたけど、無視して歩き続けた。