「あんな、落ち着いて聞いて。」

そう話す達也の顔に、あたしは目がはなせないでいた。

だって、こんな顔をした達也を見たのは、初めてやったから…。



あたしが黙り込んでいることに心配したのか、達也があたしの顔を覗き込んできた。


「大丈夫か?」

「えっ!あっ!ごめん。」

あたしは我に返って顔をパッとあげた。


「聞いても、後悔しいひん?もしも嫌なら、俺は話さへんけど…。」


達也があたしを心配そうな目で見る。


「ううん!あたし、聞きたいから。」

あたしは作り笑いをして、元気な感じを装った。


「そう?ならいいけど…。」

あたしは、達也が話しだすのを待った。