私たち3人は、徐々に近づいていく鬼たちを見ていた。



悠基と智からは何の反応もない。



……と、思ったら。




「ちっ。何でいんだよ……」




反対側の窓の方を向いてたから、仕方ないんだろうけど。



反応鈍すぎですよ?悠基さん……。



その証拠に。


もう、鬼から逃げられない……。





―――ガチャ



「「おはようございます。王子様……?」」




華麗な身のこなしで、まるで執事のように車のドアを開けた、我が兄だと信じたい奴2人。



でも、その願いも虚しく、鬼にしか見えないね……。