そうそう。
私、“成瀬家の女神の再来”って呼ばれてるんだよね。
まず、成瀬グループ設立者の妻が金髪に空色の瞳で、“成瀬家の女神”って呼ばれてるの。
それから100年くらい成瀬グループは続いてるんだけど、1度もその色が受け継がれなかったのね。
でも、私が先祖返りでその色を受け継いだみたいで、そう呼ばれるようになったの。
「で、亜美ん家は何かしてんの?」
うーん。
ここで言っちゃったら面白くないよね。
だいたい、信じてもらえないだろうし。
……いいや。時期がくるまで黙っていよ。
そのうち、嫌でもパーティーとかで会うでしょ。
『そんな大した会社じゃないよ』
でも、私はここで言うべきだったんだね。
そうすればきっと。
あなたと離れずにすんだのに―――