「お待たせーっ!」
怜衣は大きな声を出しながら屋上の扉を開けた。
「怜衣、柚月、おせーよっ!俺たち待ちくたびれたよ~」
しんちゃんが口を尖らせて言った。
「私は悪くないよ?柚月が遅いんだもん。」
「ゆ~ず~き~!」
「えっ?私のせい?」
「たく……ホント、昔からゆずはどんくせぇよな。」
「なっ!」
どんくさいですって?
快斗のばかばかやろー!
「ふんっ!快斗なんかただの馬鹿やろーじゃない!」
「なんだと?」
「ちょっとあんた達っ!うるさいのよ!弁当食べないわけ?」
「「………食べます。」」
いつも怜衣には頭の上がらない私たち。
「さっすが、俺の怜衣~♪」
いつも私たちの喧嘩を止めてくれるのは怜衣で、それを笑うのがしんちゃんだった。