「だが、その仮説を裏付ける事がなかなか難しくてな。ちょうどサンプルを探していたんだ」 博士は、嬉しそうに手の中でボールを転がしている。 「え……、とどういう?」 「原子レベルの記憶を強く残した集合体だよ。いやぁ、まさかこんなにハッキリした形で捕まえれると思わなかった」 中村の顔が引きつって、どんどんと青白くなっていく。 「それって……」