子供のように泣きじゃくっていた俺に、最初はすごく戸惑っていた希。



でもすぐにただ事じゃないと思ったのか、俺の背中に手を回し、子供をあやすようにトントンとリズムを付けて叩いてくれた。



「へぇ…そんな夢見てたの。かーくん、青白い顔して魘されてたから、びっくりして起こしたんだけど…」



そして、ようやく落ち着いた俺が状況を説明すると、希は納得したように頷いた。



「本当に……どうしようかと思った。希が死んだなんて……信じたくなくて。」



「やだなぁ…それは夢だから、もう大丈夫。私はここにいるよ。それに私、かーくんより先に死んだりしないから。」



希……



「約束……な?」



「…うん、約束。」



そう言って希と小指を絡ませた後、また涙が溢れ、頬を伝って流れて行った。