「泣いてくれる友達が居て、大滝も幸せだな。最初の頃は誰とも過ごさないから心配してたんだ、実は」



 ありがとうな、なんて言われたけど俺は首を横に振った。


「気付いてやれなかった、とか思ってたらそれはお門違いだぞ。それに――多分だけど――大滝はそんなの望んでないだろう」


 もっともだった。


 狼は絶対に望まない。