「わかんない……なんも。でも、昨日はアイツいつもと違ってたんだ」
「違う?」
「やけに饒舌っていうか、これから頑張るぞー、みたいな顔してたっていうか」
――いや、もしかして。
あの顔は頑張るぞ、というよりも吹っ切れたような表情だったのかもしれない。
俺は目先の事しか見てなかった。
狼が心を開いてくれた――なんて事に浮かれて何も見てなかったんだ。
「そうか……何か分かったり思い出したらでいいから俺に教えてくれ」
「うん」
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…