「親御さんの稼ぎだけじゃ難しいから、助けたいって――そんな家族思いの奴が――どうしてだろうなぁ」


 センセは今にも泣きだしそうな顔で、そう言った。


 俺たちは泣きたいのを堪えながら話していた。


 正直、ただの生徒のうちの一人の為にセンセがそんな顔するなんて意外だった。


 テレビとかでよくみる、事務的な感じなのかと思ってたんだ。



 でもセンセは違った。


 俺はこんな時に、またも嬉しくなってしまった。