「俺……俺昨日もアイツと普通にしゃべってただけで……俺アイツの事なんも知らない……」


「そうか……」



「アイツが早く帰ってる事とか、バイト死ぬほど頑張ってる、とかしか知らない……。バイトしすぎて疲れた、とか、だったりする?」


「その点は薄いな。確かに妹さんの為に頑張ってはいたけど……」


「妹のため?」


 センセはしまった、という顔をしている。


 きっとこれは狼との秘密のようなものだったのだろう。


「センセ。俺知りたい。協力もしたい! だから――」