俺の前に差し出されたお茶は、綺麗な緑色をしている。


 渋い色の湯呑み茶碗に入ったそれは、やけどしそうなほどの蒸気がゆらゆらと出ていた。


「アチチッ」


 案の定、そそっかしいセンセは舌をやけどしたらしい。


「ちょっと冷ましてからじゃないとムリだな。この玄米茶うまいんだぞ」


「ん~、俺どくだみ派」


 なんて他愛もない話をしている。



 きっと――きっと、センセはどう切り出したらいいか悩んでいるんだろう。


 ここは俺から聞くべきなのか?