薬の事とか聞いても濁すから、俺アイツの事なんも知らない。

 もしかしたら結構悪い病気なのか?


 今日こそ問いただす。

 だから早く来い。


――なんて俺の願いは空しく。


 帰りのショートホームルームの時間になっても狼は現れなかった。
 

 しかも、最悪なことに雨が降り始めている。


「じゃあ――静かに――席についてくれ」