｢お母さんは？｣


｢今ごはん食べてますよ。
恵理ちゃんたちは？｣


｢徹ちゃんちで食べてきたから。｣


靴を脱ぎ終わった徹ちゃんが、また手をつないで来る。


徹ちゃん、ここ、うちだよ？


手つなぐ意味あるの？


私は手を繋がれたまま、リビングのドアを開ける。


｢あっ今、ごぎげん悪いですよ。｣


うそ、安部さん、それを先に言ってよ。


ドア開けちゃったじゃない。


｢えーりーおかえりー。｣


突然飛びつかれる。


よろける体を徹ちゃんが支えてくれる。


｢おばさん、危ないよ。｣


｢とーるくーん、久しぶり。｣


母親と言う弾丸は、今度は徹ちゃんに飛びついた。