「ただいま」


「おかえり。翔ちゃん、今日は手はどうだった?大丈夫だった?」




帰って来るなり手の事聞くなんざ、今日一日ずっと気にしてくれてたんだな。


お前は本当優しいな。




「張り切り過ぎて手をぶつけてな。傷口が開いちまった可能性があるな…」


「う、嘘っ?!翔ちゃんっ、今すぐ病院行こう?!お医者さんに見て貰おう?!」


「プッ。くくっ。お前は本当心配性だな。冗談に決まってんだろが」


「…え…も、もうっ!!びっくりしたんだからね!!」




素直なお前は嫌いじゃない。


むしろ、好きなんだ。


俺は笑いながら紗耶をぎゅっと抱きしめた。