「私、お礼しないと、どうしても気が済まないんです」 「…そう言われてもな」 「私、なんでもしますから…その…連絡下さい…」 この女…色目使ってやがる。 俺の腕を抱きしめたかと思うと、胸を押し当てやがって…。 残念だったな。 前の俺なら、まあ、完全拒否はしないだろうが今の俺はあん時と違うからな。 女を無理矢理引きはがし、渡された名刺を突っ返してやった。 悪いが紗耶以外の女には、これっぽっちも興味ねぇ。