「翔ちゃ…手っ……っ…」


「これぐらい大丈夫だ」




強盗犯を押さえている翔ちゃんの手は血で真っ赤に染まっていて…私は涙を堪える事が出来ずにいた。


怖かった…怖かったよ…。


翔ちゃん、怪我までして…あんなに血を出して…凄く怖かった…。


強盗犯は堪忍したのかもがく事さえしなく、床に突っ伏せられたままで暫くして警察官がコンビニへ入って来た。




「りゅ、竜崎さんっ?!」


「コイツ頼む」




翔ちゃんは無理矢理強盗犯を力づくで起き上がらせると警察官へと突き出した。