「や…やだ…翔ちゃ……誰か…撃たれた…よ……」


『紗耶。落ち着け。すぐ助けに行くからな。電話切ったら、大人しく伏せておけ。いいな?』


「…う…うん…」


『大丈夫だ。必ず助けてやるから。じゃあ切るな…』




通話を終えると、私は携帯電話をポケットへ直して息を潜めた。


覆面を被った犯人がつかつかと足音を立てながら近付いて来る。


怖いよ…翔ちゃん……怖い…。