実は、少し緊張していた。

よそ者扱いされたらどうしようって、心のどこかで思っていた。


「タマ!次こっちっ」

「俺とツーショットしようぜ」

「あ、ずりー!」


でも、そんな不安は一瞬で消し飛んで。そんなことを思っていた自分が恥ずかしかった。


何も変わってない。

やっぱり、この街は温かい。





「やぁやぁ、皆さん来てますね」





17時になって、予定時間ぴったりに教室に入ってきた担任の原ちゃんが黒板に席表を張り出した。

席替えするときみたいに、みんなのテンションが上がる。

低い椅子が壊れないように、そっと座った。机の横に掛かった体操着袋は黄色くて可愛いものだった。